2008年1月19日土曜日

新自由主義の行く末

昨年(2007年)夏の米国サブプライム・ローン破綻に始まり、最近の世界金融危機の流れのなかで、新自由主義を標榜する資本主義社会の行き詰まりが米国大統領選挙でアフリカ系候補者の勝利をもたらすという未曾有の社会変革のうねりをを巻き起こしています。 そもそも新自由主義は”全てを市場の動きにゆだねて、政府はそれに介入すべきではない”という市場原理主義を掲げ1981年に就任就任した米国レーガン大統領に始まり、英国サッチャー政権、そして最近8年のブッシュ政権に引き継がれ、日本では小泉政権でのバック・ボーン理論でもありました。これらの政権では、規制緩和や構造改革を進めると同時に、伝統的な家族や地域、学校、企業というような共同体の再建を主張し、強い国家を標榜して、国民を統合させるという意識がありました。
しかしながら、この新自由主義の立場は別の見地からするとトリックルダウン理論(Trickle Down Theory)という”金持ちや企業が富めれば、そこからしたたり落ちる富で社会全体が潤うという”考え方に立脚している為に、最近では米国内でも貧富の格差を生み出した元凶の考え方であるとの批判も起きています。
さりとて、この対極にある福祉国家型分配社会に向かうには最近の国家の財政は余りにも逼迫しています。来年1月20日から発足する新オバマ政権はこのような難局にどう対処していくのでしょうか?