2005年4月1日金曜日

ニッポン放送買収騒動

この数週間Livedoorの堀江社長の巻き起こしたニッポン放送買収劇に関するメディアの報道振りは、賛否両論すさましいものでした。
賛成側は日本の旧態依然とした株主軽視の会社経営を非難し、既得権にしがみつく日本の政界・財界の先見性のなさを指摘していました。
反対側はホリエモンの不躾ぶり、無法ぶりを「土足で他人の家に上がりこんで仲良くしようとは」とか「時間外取引の卑怯な手を使って」とか非難しきりでした。
このようなマネーゲームに就いて全く不案内な小生としてはどちらの意見も尤もらしく、どちらの側に付いたらよいか迷うところしきりでした。 こんな折、4月10日発行の文芸春秋5月号に「平成ホリエモン事件」という特集が掲載され、各界のそうそうたる人たちの感想や意見が述べられていて大変参考になりました。ここに於いても賛否両論で自分のような不案内者が迷うのは当然と思われました。
株主資本主義は世界の趨勢として当然のことと賛成できるが、これは株主が正常な投資家である限りは納得できますが、向こう見ずな投機家に振り回されるようになれば、産業の正常な育成どころではなくなるのではないかと心配します。 色々な議論で余り明確に触れられていないポイントはこの事件は電波を独占する既得権者と新興無既得権者の戦いという側面もあったということです。現在進行中のデジタル地上波放送の動きも既得権者の既得権防衛の布石ということも出来る訳ですから。
「平成ホリエモン事件」は4月18日無事決着しましたが、結末は何とあっけないものでした。