2007年2月26日月曜日

松本清張の長編小説「熱い絹」

 
近年、日本人の間で海外Long Stayで話題になっているマレーシアのキャメロン・ハイランドに平成19年2月下旬出かけました。

キャメロン・ハイランドは少々旧聞になりますが、松本清張が1988年(昭和63年)に発表した長編小説「熱い絹」の舞台となった中部マレーシアの高原保養地です。 小説は実際に起こったタイのシルク王といわれたアメリカ人ジェームス・トンプソンの失踪事件を題材にした何とも不思議な物語で、実際には未解決の事件の謎解きをした大変面白い小説です。

特に、キャメロン・ハイランドに長期滞在をしたいと思っている者には興味尽きない小説で、小生も今回の旅に出かける前日に講談社文庫で出されている上下2巻を急遽買い求め、7時間の飛行機の中、4時間のバスの中で夢中になって読みました。 標高1,600mの高地にある上の写真のような茶畑を松本清張は太平洋戦争中マレー半島を南下した山下奉文連隊の兵士の一人が山岳土族の賢者としてこの山中に生き残り、自分の出身地の駿河茶の作法を広めた結果であるとしたフィクションも真実味を帯びて感じられました。

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